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自作仮想通貨入門(10) - 著作権表示の記載・おわりに

この章で自作仮想通貨入門は終わりです。 著作権表示をしてあなたの仮想通貨をアピールしましょう。 著作権表示の記載 著作権表示は下記のファイルに記載します。 ./COPYING ./doc/man/raccoin-cli.1 ./doc/man/raccoin-qt.1 ./doc/man/raccoin-tx.1 ./doc/man/raccoind.1 例えばRaccoinなら以下のようにします。 Copyright (C) 2018 The Raccoin Core developers 記載箇所については"Litecoin"で検索して確認してください。 フォーク元(BitcoinとLitecoin)の著作権表示を残しつつ、自分の仮想通貨の著作権表示を

自作仮想通貨入門(9) - ブロックデータのマジックバイト変更

※この章では src/chainparams.cpp を変更します。 あまり話題にならないものの仮想通貨では極めて重要な、ブロックデータのマジックバイトを変更します。 ビットコインプロトコルにはブロックに関するデータを含みますが、そのデータを示すためのマジックバイトが存在します。 それが以下の記載です。 pchMessageStart[0] = 0xfb; pchMessageStart[1] = 0xc0; pchMessageStart[2] = 0xb6; pchMessageStart[3] = 0xdb; このデータは誤って文字として解釈されないように、ASCII でも UTF-8 でも定義されていない適当な32bitの値になっています

自作仮想通貨入門(8) - アドレスのプレフィックス変更

※この章では src/chainparams.cpp を変更します。 仮想通貨の花形的存在、ウォレットアドレスについての説明とソースコードの変更をしていきます。 プレフィックスの仕組みについて Litecoinではアドレスの1文字目に必ず"L"が入ります。このようにアドレスの1文字目に何らかのプレフィックスがつく仕様は、bitcoinの実装に由来するものです。 bitcoinでは各種管理情報(ウォレットの秘密鍵や公開鍵など)

自作仮想通貨入門(7) - コンセンサスの設定

※この章では src/chainparams.cpp を変更します。 ジェネシスブロックに続いて、今回はコンセンサスも決めていきます。 実はここはデフォルトのままでも問題ないのですが、一応軽く説明します。 コンセンサスについて chainparams.cpp には Mainnet, Testnet, Regtest それぞれでconsensusというコンセンサスに関わる変数が存在します。 コンセンサスには色々な設定項目がありますが、この章では実際の仮想通貨の運営で重要な設定項目のみ説明をします。 ※コンセンサスには非常に沢山

自作仮想通貨入門(6) - ジェネシスブロックの作成と設定

※この章では src/chainparams.cpp を変更します。 仮想通貨はブロックチェーンの原理を基にして運用されています。 つまり、ブロックチェーンを利用するためにはブロックチェーンの一番初めに位置するブロック、 すなわちジェネシス(起源)ブロックを作成する必要があります。 ジェネシスブロック(genesis)の構造 ジェネシスブロックは以下の構造になっています。 (括弧内はchainparams.cppでの変数名をあらわしています) ブロッ

自作仮想通貨入門(5) - 単純な文字列置換

この章からいよいよLitecoinのソースコードに修正を加えていきます。 この章ではソースコードおよび関連ドキュメントに含まれるLitecoin関連の文字列を自作仮想通貨の通貨名に変更します。 この時点でLitecoinのどの名称を自分の仮想通貨の名称に変えるかを決めておきましょう。 また、待ち受けるサーバのポート番号についてもこの章で変更するので、ポート番号についても決めていきます。 ノード待受ポート番